冬について

真っ直ぐに投げたはずの言葉がことごとく白く濁ってしまうのだ。

それはこの季節のせいです。

そう結論をつけます。

 

 

 

 

最近は水っぱなが収まらす、指の悴みがぬくまらない。それらを堪えながら、蒸発するように寒空にのぼってゆくオーブを追いかけている。

そんな最中、またこ恥ずかしい文章を書くに至ります。

いかに良い夜を過ごし、良い酒を飲み、良い仲間とパッションを分かち、そのヴァイヴスを掲ごうとも、1人でつく帰路を襲う朝方の氷点下を溶かすことは出来ない。

1人ってやっぱ嫌だなぁ、とかさぁ。

個人的に冬という季節の表題色は白だと思っているのだけど、三重県の冬に白はあまり見られず、夜の街は夏や秋と同じ色で光る。

残業の灯りや、男女の交わりの灯りや、家族の温もりの灯りが、喧騒と共に街の装飾を果たすべくの様。

「ありがとう。」と言えない。

「嫌い。」と言えない。

「ごめんなさい。」と言えない。

全てが白く濁るよう。自分が嫌で、いっその事投げ出しては腐ってしまいたくもなる。たまには。

それも、朝を迎えたら全て無くなる。

嬉しいのか悲しいのかも分からん。

でも心地が良くて。寒くて、とてつもなく寒くて、けど、ここに居たいと思ってしまった。

てか暑いより全然いいや、汗をかくのが嫌いだ。

街灯が照らしていない場所から鮮明に見える寒空はまるで宇宙で、それは冬の悪くない点のひとつと言える。