明日花

数秒の抱擁で交換したお互いの匂いが
夜の風に撫でられ気化してったのだ。
夏が終わる度、平成が遠ざかるよ。
さびしいけど、仕方ないよ。
乾いた風の奥に潜むノスタルジーは、
もはや原型を留めていない俺らの蜜月の記憶。
平成の残像はいつごろ去りゆくのだろうか。
令和の風は俺たちに優しいだろうか。
時代は変わる。みるみる円がゴミになる。
言葉には力が宿り、1人の勇気は暴動を起こす。
SNSは散弾銃の撃ち方しか知らない奴らの巣窟であり、誰かの流れ弾が日夜、誰かに刺さる。
無論俺も、照準の定まらない撃鉄野郎であり、
ありったけの血しぶきの原因である。
全てに実感がない。
毎日毎時間毎分毎秒向き合ってるこの忌々しい
小さな液晶のせいでもあるが、
きっと、ありとあらゆるマンネリの根源は
俺の奥底に座ってる。
打開する為にペンを握るけど、
結局スワイプへと立ち返る。
もう俺らの居場所は令和なんだね。
俺は俺をやりながら、
お前からの朗報が そっと届くのを
待つことにするぜ。
俺は俺をやるために詩を書くよ。
どんなマスターピースもカスに聴こえるような珠玉を放つ。
だから どこかで見ててくれ。
俺がこの場所から 星を掴むのを
見ててねアスカ

 

相変わらず一方通行の渋滞みたいな

感情の表し方は全員そう

俺ら1人残らずみんなで独りよがりしよう

愛してるだけなら問題ねーのさ